海外製品のご利用にあたって

野生動物の調査に用いられるGPS首輪や、中層フロート・表層漂流ブイ・水中グライダーなどの海洋観測機器には、イリジウム衛星通信システムを用いてデータを送信するタイプがあります。

この場合、イリジウム衛星に向けて無線電波でデータを送信するわけですが、日本国内・領海内・日本籍船上などで使用する場合には、日本の電波法を守って使用しなければなりません。そのためには以下の2点の要件を満足する必要があります。


1) 電気通信事業者登録しているイリジウム通信事業者によるサービスを利用する

2) 無線設備は技術基準適合証明(あるいは工事設計認証)を受けているものを使用する


1)の電気通信事業者登録しているイリジウム通信事業者について

海外のメーカーからイリジウム通信を行う首輪や観測機器を購入すると、多くの場合、イリジウムの通信サービスもセットで販売されます。この場合、イリジウムの通信を提供する通信事業者はその海外メーカーということになりますが、現在のところ、海外のメーカーで総務省に事業者登録しているところはないため、1)の要件を満たしません。海外から製品を購入するときには、通信サービスの方は別途国内の通信事業者を利用する、という条件で購入する必要があります。
イリジウム通信に関して事業者登録しているのは、、弊社キュービック・アイのほかに(KDDIなど)数社しかありません。キュービック・アイの提供するイリジウム通信サービスをご利用になれば、1)の要件を満たします。


2)の無線設備の技術基準適合証明(技適)について

イリジウム通信を行うGPS首輪や海洋観測機器は、9602, 9603、9522B、9523などのイリジウム社製通信モデムを使用しており、これらの通信モデムが技適を受けている(あるいは工事設計認証を受けている)必要があります。実際、これらはすでに工事設計認証を受けていますが、工事設計認証では、モデムとともに使用するアンテナが限定されています。そのため、利用する首輪や観測機器のイリジウムアンテナが、既存の工事設計認証に含まれていない場合には、新たにこのアンテナを含めた認証を取り直す必要があります。
キュービック・アイでは、VECTRONIC社やFOLLOWIT社、LOTEK社の現行モデルの首輪や、APEX、NAVIS、MRV、ARVOR、Mermaid、SeaGlider、Slocum、Sea-Explorer、などのフロート・グライダー、Pacific Gyre社のSVP漂流ブイ等については、すでにアンテナを含めた認証を取得済みです。また、新たなタイプ・メーカーの首輪を使用する場合にも、アンテナについての技術情報があれば認証を取得いたします。メーカーからのアンテナ技術情報取得についてもサポートいたします。


キュービック・アイは、海外メーカーのGPS首輪や海洋観測機器の販売を業務としているわけではありません(*)。お客様が、直接、あるいは国内の代理店や販売店から購入された海外製イリジウム通信装置について、その通信サービスを提供します。海外製品について、電波法に準拠した国内でのイリジウム通信をご希望の場合、キュービック・アイにご相談ください。

* 国内代理店がなく、直接購入も難しい場合などはご相談ください


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                                  2018年8月31日


イリジウムGPS首輪:
FOLLOWIT / LOTEK / VECTRONIC社製



海洋観測機器:
中層フロートと水中グライダー